Die Blaue Nacht

②「クソ退屈な女」が「俺のマリア」になるまで

ストーリーのあらすじ。
この設定・ストーリーの延長線上の短編を断片的に書いています。
構想メモみたいなものをそのまま載せているので、今後変わる可能性もありますし、まだ固まりきっていない部分もあります。

 ※このあたりまだ決めきれてません。
 (暇つぶし+一応のもてなしとして話をしていたか、とりあえず出会った日はそれまでで、別の機会に改めて偶然会う機会があったのかはまだ未定ですが、)ともかくも二人で話をしていた時に、不意に名前がカイザーの抱える本質的な何かに触れるようなこと(もちろん
名前自身にそんな自覚はない)を言ったとかなにかで、カイザーからすれば自覚はないものの何かがほどけたというか、そういう感覚を覚えてしまいます。
 自分で悪意を自覚して自分なりにいろいろと納得している彼が”救ってくれた”と感じる……というのはちょっと言いすぎかもなのでこのあたりはもっと掘り下げたいポイントですが…悪意を持って人に接するなら悪意が返ってくるのが当然の反応な中、名前は悪意も善意もなくニュートラルに、屈服するとかでもなくただただ受け入れてしまったのであっけにとられたというか、すとんと力が抜けたというか。利用しようにもやっぱり無気力でそれ故に面白くないし、それが執着…なんとかして自分を見ろ(虚仮にするのは許さない)という方向に繋がるとかなんかそういう…サンドバッグを穴を開ける勢いで殴りつけてみたらサンドバッグじゃなくて人を駄目にするソファだった(謎の比喩)、みたいな…未定です。

 …むしろ主張を全然しない名前を意のままにしてしまえば便利なのでは?と思ったのが近づこうと思った最大の理由のような気も。
 言ってしまえばホストがやるみたいな疑似恋愛的駆け引きというか、自分のことを好きにならせて言うこと聞かせようとするんものの、名前は押せばそのまま「そうですか」だし引いてもやっぱり「そうですか」にしかならなくて何だこいつ、となり、だんだんと上記のような執着につながっていきます。

 悪意で相手を支配しようとするということは、もちろん自分も悪意を向けられるわけで……ということは、いつ誰が潰しにかかってくるのかわからないからいつでも気を抜けないということ。…その点名前は無害というか、反発がないというか、そもそも暖簾に腕押し状態で手応えがない空っぽ状態で、だからこそ警戒しなくてよかったというある意味で稀有な存在に。
 (中略)
 そんなこんなで名前をだんだんと「クソ退屈な女」だなんて思えなくなってきて、ちょくちょく見せる名前の空虚な表情も相まって執着心(+俺が口説いて(?)いるんだから落ちろよというプライド?)が芽生え、それでいて全部良いも悪いもなく受け入れてくれる名前を「俺の聖女マリア」と神聖視するように……
 「俺の聖女マリア」と呼ぶようになってからはそれによってさらに神聖化が加速するし、それに比例して執着心もどんどん肥大化していってしまいそう。しかしもちろん名前自身は神聖でもなんでもなく、「聖女ではない」部分がたまに見え隠れするようになると(元々見せてなかったとかではなく、単に交流が増えただけ)、その”歪さ”に身近さを感じて”自分のものにしたい”、”完璧な存在でないなら自分でも手に入れられる”という思いも抱くようになります。
 なおここの「手に入れる」はあくまで恋愛ではない、けれど「もっともっと、自分だけを受け入れて欲しい」というもの。最初は「俺に屈服しろ」的な手に入れたい、だったものが、この時点ではもっと深いというか激しい欲求になっています。