深く。どこまでも深く。 彼には自分は恵まれているという自覚がある。 最初にあったのは才能。天賦の身体。 そして、挫折と葛藤の度に、狂おしいほどの衝撃と、憧れと、悔しさで彼を奮い立たせる出会いがあった。 まるで神に愛された人間であるかのように、次々と試練にぶつかり、そして救済があるのだ。 しかし彼は神を信じてはいない。 ——努力と決意に神は要らない。
深く深く、そして、より高みへ。