Die Blaue Nacht

ディープ・ブルー

 深く。どこまでも深く。
 彼には自分は恵まれているという自覚がある。
 最初にあったのは才能。天賦の身体。
 そして、挫折と葛藤の度に、狂おしいほどの衝撃と、憧れと、悔しさで彼を奮い立たせる出会いがあった。
 まるで神に愛された人間であるかのように、次々と試練にぶつかり、そして救済があるのだ。
 しかし彼は神を信じてはいない。
 ——努力と決意に神は要らない。

 深く深く、そして、より高みへ。