フォウマ記念
朝一番の鳥の囀りに、白銀の騎士はゆっくりと目を開く。
「善き営みを守りたまえ」
薄らと光を帯びる空を見上げて小さく呟くと、騎士は自らが率いる軍勢を振り返った。
「さあ、立ちなさい。征伐の刻です。
剣を抜きなさい。我らの剣は錆に喰まれる為にあるのではない。今こそ我らの剣で、敵を討ち滅ぼすのです。
この夜明けは勝利の兆し、我が得るは太陽の加護!王に勝利を!ブリテンに栄光を!」
暁光が騎士を照らす。
白銀の甲冑には一点の曇りもなく、日輪の剣たる聖剣には傷の一つもあろうはずがない。
そしてそれを身につける騎士もまた、太陽の祝福を一身に浴びている。彼の金色の髪は太陽を映して煌めき、青空の瞳は力を湛えて地平線を見つめている。
進む先はまだ暗い。だからこそ、かの白銀の騎士、サー・ガウェインが赴くのだ。王と民に仇なす不浄を灼き清める為に。