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not審神者。別れ話です。「いつか私を忘れる背中」の夢主視点。
光忠さんが私を呼ぶ声はいつだって優しい。
私、名前って名前、別に嫌いじゃないけど、なんだか気取ってるっていうか、ちょっと尻込みしちゃうみたいなところがあったの。だけど光忠さんがたくさんたくさん呼んでくれたから、なんだかちょっとくすぐったいけどすごく素敵な名前に聞こえちゃった。
私のことちゃんと見てくれて、嬉しいことがあったらかっこよくて優しい笑顔で一緒に喜んでくれたし、辛いことがあったらぎゅっと抱きしめて慰めてくれた。
うちでご飯食べたのも、2人で旅行したのも、一緒にいたこと全部、一緒にしたこと全部楽しかった。
だからね、私、光忠さんだったら、よかったの。……というか、光忠さんじゃなきゃこんなこと思わなかった。
たくさん、本当にたくさん、いろんなものを貰ったから。あなたになら、全部、奪われたってよかったし、何なら無理やり奪ってほしかった。
でもわかってる、本当にそう言われたら、私は多分怖気付いていたし、光忠さんは優しいから――私を怖がらせるようなことは、言わないの。
そういうところ、大好きです。