Nikki, SS

【企画参加】祈りの星の物語

猫おやぢさま(@popokiuncle)の企画「祈りの星の物語」に参加したものです。


ひらひら、きらり

Puleの目の端に、きらりと何かが映りました。でも、Puleがそちらを向いても光るものなどありません。
と、また、きらり。
Puleは辺りを見回します。
「星屑、だね」
白うさぎは指さします。
ひらり、ひら、ひら。
小さな星のかけらが、ふわりと舞いながらPuleの横を足下の青い星へと落ちて行くのです。そして、しばらく舞い落ちた星屑は突然きらりと輝き、消えました。
気づいてみれば、そこかしこで星屑たちが花のように舞い落ち、その身が焼き尽くされる瞬間にきらりと光っていました。
「あれも、君の輝き?」
白うさぎは尋ねます。
あれが、あれも、私の輝き?

それは、命の輝き。命そのもの。
星屑たちの命が燃え尽きる瞬間に輝く、美しい光。
その強さに、その儚さに、その美しさに、Puleは涙を流します。——あんな美しさを、私も持っているかしら?

Puleは目の前を舞った小さな小さな星屑を両手で受け止めると、ぎゅっと抱きしめました。
その時感じた暖かさを、きっとPuleは忘れないでしょう。
命あるものの輝きを、こうしてPuleは知ったのでした。


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